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執筆者の写真ランゲ浦池WEB担当

サッカーという新言語

こんにちは。

 今回のテーマは「サッカーの監督として練習中に言うこと」についてです。以前はサッカーに限らず教える方法、内容について記事を出しました。その記事では予備校講師だった経験も応用することができましたが、今回はサッカーに特化しています。サッカーの練習中、試合中に何を言うべきかを考えたのでそれをまとめます。次の記事で試合中に言うことについて書こうと思います。今回のテーマについてはプロセスがあるので順を追って書いていきます。

 5レーン理論と言語

 まずは、5レーン理論をペップが導入した動機を書かなければなりません。以前の記事でも書きましたが5レーン理論はペップのアイデアを共有させるための道具です。バイエルンという多国籍軍団にアイデアを落とし込むために作られたものです。これはサッカーにおいてアイデアを伝えるためには言葉はいらないということを表しています。  言葉は学問的にはいろいろな角度から勉強することができますが、一般的な内容は「伝えるための道具」ということでしょう。サッカーに限らず自分のアイデアを確実に伝えるために言葉は必須のものとなります。しかし多国籍軍団では言語がバラバラなので言葉が邪魔になってしまいます。そうするとサッカーチームというグループ内で共通理解できるもの、または、しなければならないものはサッカーでしょう。つまり、サッカーを言語にしてしまえばいいのです。言葉がなくてもサッカーに関することなら理解できます。まずは5レーン理論を知ってからこのように考えました。

 サッカーという言語の範囲

 次に考えたことは「サッカーという言語」の範囲です。サッカーを言語と考えたとしても言葉を使わなければならない要点はあります。どこまでをサッカーで伝えて、どこから言葉で伝えるか。ポイントは言葉は最小限にすることです。自分が多国籍軍団を率いていることをイメージすると、多くの言葉をいろんな言語で使うことはとても難しいと思ったからです。しかも、それをプレーヤーに伝えることはもっと難しいでしょう。  これらを考慮した結果、サッカーという言語は練習メニューだと考えました。つまり、プレーの仕方や動き方などの「サッカーに関する動作」が言語であるということです。  言葉はサッカーの動作中に個人が考えるべきことを提示するために使います。これはなるべく短く、シンプルな内容にすべきです。外国語でも言いやすいので。そしてこの言葉の部分で以前書いたヒント型、答え型を利用するといいでしょう。

 バルサのコーチのアドバイス

 前のステップで考えたことは結果的には練習メニューを伝えるときに使われるものになりました。すると今度は練習中に言うべきことについて考えなければなりません。僕はここで思い出したのはFCバルセロナのコーチのアドバイスです。以前、FCバルセロナのコーチが参加する講習会に出席しました。その時に僕がした質問への答えを思い出してつなげることができたのです。  僕はコーチングの内容について質問しました。そのときの答えは次の通りです。 ・11対11のゲームでは全ての現象に注目する。 ・チームのためにプレーしているかに注目する。 ・楽しんでいるかに注目する。 ・ポイントが遂行できているかに注目する。 ・ミスは2パターンあることに注意する。 個人のミスとチームのミス。 個人のミスはサポートできる。 チームのミスはメニューを変えたりルールを追加したりしないとサポートできない。 これらのことが書いてありました。アドバイスが来たときはなるほどと思っただけでしたが、今回はつなげることができました。つまりこれらのことは練習中に伝える内容だということです。そして練習中は個人に焦点を当て、チームのミスの時のみ全体に発信することが必要になるということを表しています。

 まとめ

 僕はまだ指導経験が浅いので経験によって自分の指導スタイルを確立することはできません。しかし、経験豊富な指導者にすぐにでも追いつきたいし追い越したいと思ってます。そのためには言葉によって明確になった自分のスタイルを確保することが大切なことだと思っていました。最近ずっと考えていたこのテーマがとりあえず結論までたどり着いたのでまとめました。(今後も変化し続けていくことだと思います。)最後に、このプロセスを踏まえてまとめを記して終わります。

①メニューを提示する。  =・言葉を使わずにサッカーを伝える。   ・言葉でポイントのみ伝える。

②練習中は個人にフォーカスする。  =・チームのためにやってるか   ・ポイントを遂行しているか   ・楽しんでやっているか ※全ての現象に注目する。 ※ミスが起きたら個人はその場で、チームはルールを追加したりメニューを変更したりする。

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